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Evactron FAQ

Evactronは、2004年の販売開始からおかげさまで200台以上が日本の皆様のもとで活躍しています。これまでにユーザーの皆様から寄せられた様々なお問い合わせをまとめてみましたので、ぜひご一読頂いてEvactronに関する理解を深めてください。

Q.

Evactronはどれくらいの効果がありますか?

A.

 

コンタミネーション(=電子線のスキャンによりハイドロカーボンが試料上に堆積すること)は、試料に与える電子線の量(加速電圧、ビーム電流、スキャン時間)に比例しますが、試料上にハイドロカーボンが堆積したかどうかを確かめる場合は、1kV以下の低加速電圧で観察を行って確認します。

コンタミネーションを二次電子情報で確認する際の加速電圧は、低ければ低いほど試料表面の情報だけを反映するため、コントラストが得やすくなります。

逆に言えば、試料表面のハイドロカーボンの堆積は高加速電圧(15kV以上)だと確認しにくくなります。

このため、試料の最表面からの情報を得るために行われる低加速電圧による観察や、チャージを軽減されるために選択される低加速電圧の観察時には、コンタミネーションが少しでも起こるとすぐにそれがコントラストに反映され、観察がしにくくなってきます。

Q.

長年使用した古い装置に装着しても効果がありますか?

A.

YES。 長年使用された装置の場合には、

① 真空系(油拡散ポンプやロータリーポンプ)に起因するオイル成分が僅かながら徐々に試料室に蓄積されるケース
② 試料や試料ホルダーに残るハイドロカーボン成分が試料室に持ち込まれて蓄積するケース

これらの2つのケースに大別されます。 試料室に蓄積されたハイドロカーボンは電子線の照射により試料表面に堆積されることになりますが、Evactronではこのように試料室に長年の使用により蓄積されたハイドロカーボンをアッシングして除去することができます。 徐々に効果が発揮されてきますので、根気よく毎日クリーニングを実施されることをお勧めします。

Q.

試料室の内部に装着されている検出器などに影響することはありますか?

A.

NO。Evactronアンチコンタミネーターは低容量酸素プラズマ(10~50W程度)によるアッシングを行うため、試料室内部の構造物(ステージ部材)や検出器の酸化などの影響はありません。EDXに使用されているポリマー製の超薄膜ウィンドウなどにも影響がないことが実証されています。

Q.

適切なクリーニング時間は?

A.

XEI Scientific社では、試料室をクリーニングする場合には、一回あたり約1〜5分のクリーニングを推奨しています。1回のクリーニングの後は少なくとも高真空状態で2時間程度そのままの状態を保ち(その間に装置による通常の観察や分析を行っても構いません)、クリーニングによりアッシングされて生成された分子を十分に真空排気することで、2回目以降のクリーニングに臨んで下さい。クリーニング効果が十分に現れ、電子線照射による試料表面へのコンタミネーションのデポジションが気にならなくなったら、クリーニングの間隔を空けても構いません。

Q.

電子線により試料表面にデポジションされたコンタミネーション成分の除去は可能ですか?

A.

YES。 一度試料に付着してしまったコンタミネーションはEvactronのプラズマアッシングにより次第に除去され、次の観察時にはデポジションが見えにくくなっているはずです。
電子線により試料表面にデポジションされた直後のコンタミネーションは非常に柔らかく、Evactronによるクリーニングで比較的除去しやすい状態です。
しかし、一度デポジションされた後に長時間高真空に晒された試料は、ハイドロカーボンが乾燥して硬くなりしっかりと試料表面に付着するため、Evactronによるクリーニングで除去することは容易ではありません。
このため、最初の観察の前に試料室の状態や試料表面の状態を整えておくことが大切になります。

Q.

試料に付着するコンタミネーションはどこから発生していますか?

A.

電子線照射により試料表面にデポジションされるハイドロカーボンの原因は様々ですが、最も多いと考えられているのは、試料そのもの又は試料台に付着したもので、これらの洗浄残渣によるものと考えられています。又、試料と試料台との固定方法によって発生する場合や、更に長年使用されている装置そのものの真空系(油拡散ポンプやロータリーポンプの場合)から来るオイル成分なども考えられます。
このため、最新の高性能なFE-SEMはターボ分子ポンプ+スクロールポンプを使用することでハイドロカーボン成分の発生を抑えています。

Q.

試料の材質によって付着するコンタミネーションの状態は変化しますか?

A.

一般的にはAlなどの金属やGaAsなど化合物半導体はコンタミネーションが付着しやすい材料であるとの報告がありますが、果たしてこれらの材料においてコンタミネーションが付着されやすいのか、それとも付着したコンタミネーションが観察されやすいのかは今のところ報告がありません。

Q.

電子線の照射条件によってコンタミネーションの状態は変化しますか?

A.

Yes。 試料表面にデポジションされるコンタミネーションの量と、それがどのように観察されるか、という現象は別の観点になります。
例えば観察という観点からは、ある一定の条件で意識的に付着させたコンタミネーションを、異なる加速電圧の電子線で観察した場合は、そのコントラストや見え方は異なります。即ち、低加速電圧での高分解能観察は、よりコンタミネーション成分の情報も得やすくなっている、と考えることができます。一方、電子線でデポジションさせるという観点からは、より大電流での電子線照射はより多くのデポジションをもたらします。

Q.

Evactronを取り付ける場所によって効果は変わりますか?

A.

Yes。 Evactronによるプラズマアッシングはダウンストリームによってプラズマが衝突した面に対して化学的な反応を起こします。活性酸素発生源から発生した活性酸素は試料室中に放射され、真空中の粘性流に乗ってどこかの面に衝突した後に反応を起こし、反応生成物は真空排気口から排出されます。このため活性酸素発生源を取り付ける物理的な位置関係によりクリーニング効果はわずかに変化します。
主に試料室全体をクリーニングしたい場合には、より排気口から離れたポートに装着することで試料室のあらゆる場所に活性酸素を回すことで効率的なクリーニングが行えます。 一方、試料室中に試料を導入して、試料表面を重点的にクリーニングしたい場合には、試料を直接睨むことのできる場所に活性酸素発生源を取り付けるのが効果的です。

Q.

Evactronによるクリーニングで装置の分解能は向上しますか?

A.

電子線によるハイドロカーボンのデポジションによって損なわれる試料表面の情報を取り戻すことは可能であると考えられます。試料表面に物理的に堆積する(させられる)ハイドロカーボンを軽減することで付着の量を抑えることにより、装置本来の性能を発揮させる要因のひとつになります。

Q.

Ecavtronを汎用の真空試料室に取り付けて試料だけのクリーニングは可能ですか?

A.

Yes。 SoftCleanやCombiClean、市販の真空試料室やスパッターコーターに取り付けることで、複数試料の同時クリーニングやTEMホルダーなどのクリーニングが可能です。

Q.

EvactronによりTEMのクリーニングは可能ですか?

A.

現在いくつかの実験例が報告されており、場合によってはクリーニング効果が確認されている例もありますので弊社にご相談ください。

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