1. はじめに
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| Omnioribe社の独自の試料作製方法であるShort-CutTM は、これまでのin-situリフトアウトで問題提起されていた部分を解決し、in-situリフトアウト法に加えて更なる試料作成方法のバリエーションを増やすことのできる新しい手法です。AutoPorbe300システムには標準装備されており、AutoProbe200ユーザーは簡単なアップグレードでこの方法を使用して頂くことができます。 |
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2. 従来型の手法との違い
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| それでは先ず、Short-CutTM プロセスと従来型in-situリフトアウトの違いについて比較してみます。 |
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Short-CutTM プロセス |
従来型in-situリフトアウト |
| Wプローブ |
使い捨て |
同じプローブを何度も使用 |
| 試料とWプローブ、グリッドの関係 |
試料はWプローブに直接接着され、更にWプローブはグリッドに圧着される |
試料はWプローブを介してグリッドに接着される |
| 試料作製工程 |
in-situとex-situを併用 |
In-situのみ |
| バックサイド試料の作製 |
バックサイド用クーポンで容易に対応可能 |
シャフトローテーションのオプションを加える必要あり |
| アトムプローブ/トモグラフィー試料の作製 |
アトムプローブ/トモグラフィー用クーポンで容易に対応可能 |
ユーザーの発想力に依存 |
| 低加速Arイオンミリング等のダメージ除去のためのPost-FIBミリングとの関係 |
試料とグリッド材が直接接していないため、グリッド材のリデポジションが起こらない |
試料とグリッド材が直接接しているため、グリッド材の試料へのリデポジションが問題 |
| グリッド材 |
Cuのみ |
Cu及びMo |
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| これまで従来型in-situリフトアウト法を実施されているユーザーは、「使い捨てのWプローブ?」、「in-situとex-situを併用した試料作製方法?」、「クーポン?」、「低加速ArのPost-FIBミリング?」、と聞き慣れない言葉がたくさん出てきます。 |
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3. Short-CutTM プロセスの手順
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| 次はShort-CutTM プロセスの手順をアトムプローブ用試料の作製の様子を使ってまとめてみます。 |
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| Step 1 : in-situでの加工〜切り離し作業 |
| 最初のステップは従来型in-situリフトアウトの手法とまったく同じです。保護膜を上にして、試料となる部分の周囲を加工していきます。 |
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| 周囲の加工が終了したら、試料ステージ傾斜によりプローブチップに接着します。 |
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| 更に、試料の根元を切り離します。 |
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| Step 2 : ex-situでのShort-CutTM 作業 |
| Step1の状態の直後、Wプローブに直接試料が接着されている状態でプローブをシャフトから外します。Autoprobe200の場合は先端からプローブが容易に取り外せる構造になっており、Autoprobe300の場合はプローブを試料ホルダー上のカセットにDepositした状態で試料室から取り出します。 |
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Auto Probe200 |
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Auto Probe300 |
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| 次に、試料室から取り出したWプローブ(+試料)を予めクーポンを装着した状態のShort-Cut用Anvilに取り付けます。クーポンは直径3mmφでできており、クーポンのCu部分を横切るようにWプローブが装着され、試料が接着されているWプローブ先端は3mmφのクーポンの中心に来るようにレイアウトされます。 |
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| この状態でAnvilをShort-CutTM シャトルに装着し、Wプローブとクーポンを圧着します。圧搾空気の力でシリンダーが押され、(硬い)Wプローブと(柔かい)Cu製クーポンが圧着されます。 |
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| Step 3 : Cuグリッドのクーポンンからの切り離し |
| 圧着完了後はクーポンカッターによってクーポンの余分な部分からCuグリッドが切り出されます。 |
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| Step 4 : 最終加工 |
| 切り離されたCuグリッドは再び試料室に導入され、最終の薄膜化の工程に進みます。 |
| このようにShort-CutTM プロセスは進んで行きます。従来型のin-situの試料作製プロセスに比べると、ex-situでの作業が伴うためやや複雑に感じられますが、この作業はその後の薄膜化のための最終加工や、薄膜化の次のダメージ除去のための低加速ArミリングのPost-FIBプロセスに関係してきますので、決して無駄になることはありません。 |
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4. クーポンの種類について
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| 現在クーポンは目的別に3種類が準備されています。更に、シャフトの試料ステージに対する取り出し角度はFIB/SEMの機種やポート位置にするため、各々複数の取り出し角度に対応したクーポンが準備されています。 |
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| Front side Milling |
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Back Side Milling |
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Atom Probe,Tomography |
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5. Short-CutTM の応用について
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| 5-1. トモグラフィー用試料の作製 |
| 先程の3.項ではShort-CutTM のプロセスにおいて、アトムプローブ用の試料作製を例にお話しましたが、この試料作製はそのままトモグラフィー試料への応用ができます。平面試料によるトモグラフィーに限界を感じられて来られたユーザーには、より簡単なアップグレードでその限界を拡げて頂くことができます。 |
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| 5-2. バルク試料による3D分析 |
TEMによるトモグラフィーに比べて大きな領域からの3D情報を得る手法として、FIB/SEMを使ったスライス+自動画像収集による画像解析は一般的になっていますが、これにEDXやEBSP等の分析を組み合わせた場合、どうしても被分析面周辺の物理的な加工の影響によるアーティファクトの懸念が付きまといます。このため非常に大掛かりな粗加工を事前に実施することになりますが、そうなると粗加工の時間が大きくなりすぎてしまうことになります。
これを簡単に解消できるのがShort-CutTM で、十分に厚い状態でピックアップを行なってから3D分析を開始することで、周囲の物理的形状の影響を受けずに分析データを得ることができます。 |
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| 5-3. バックサイドからの加工 |
| TEM試料作製の際には、フリップチップや上層の構造を引きずるカーテン効果を防ぐために、バックサイドから加工を行なうことが有効ですが、これまではシャフトローテーションを使ったり、ダブルリフトアウトを行なう複雑な方法が用いられてきましたが、Short-CutTM では通常の向きでリフトアウトしておきながら、バックサイド用のクーポンを利用するだけで、裏面を上向きにした試料を得ることができます。 |
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| 5-4. Post-FIBプロセッシング時の優位性 |
近年は、収差補正コレクターを装備したTEMが一般化してきたため、FIBによるTEM試料へのアーティファクトにはこれ以上目を背けることができない状況になっています。このため低加速Arイオンビーム装置によるPost-FIBプロセッシングが求められていますが、これらの装置は集束されていないビームを使用するため、TEM試料だけを狙うことはできず、従来型のリフトアウトでTEM試料が接着されているCuやMo等のグリッド材も同時にスパッタリングしてしまい、それがTEM試料に再付着してしまう原因になっています。 Short-CutTM された試料の場合のTEM試料は、低加速Arイオンビームでは加工されにくいWプローブに接着されているため、従来型の手法に比べてこのような影響を受けにくくなっています。 |
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| 従来型のリフトアウトグリッド |
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6. まとめ
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| 従来型のリフトアウト手法に比べると複雑な、Short-CutTM プロセスや応用について紹介してきました。既に十分な経験を持って運用されている従来型の手法に加え、これらの手法を組み合わせていくことで、試料作製方法の選択肢を増やすことができ、状況に応じた最善の手法を選択しながら運用を進めていくことができるようになります。 |
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